「家族葬と一日葬では、どちらの費用が安いの?」
葬儀費用をできるだけ抑えたいと考えたとき、家族葬と一日葬のどちらを選ぶべきか迷う方は少なくありません。
一般的には、通夜を行わない一日葬のほうが費用を抑えやすい傾向があります。しかし、料金の安さだけで一日葬を選ぶと、「もっとゆっくりお別れすればよかった」「親族から反対された」と後悔する可能性もあります。
この記事では、家族葬と一日葬の違いや費用相場、それぞれのメリット・デメリット、後悔しない選び方を分かりやすく解説します。
この記事で分かること
- 家族葬と一日葬はどちらが安いのか
- 家族葬と一日葬の具体的な違い
- それぞれで後悔しやすいケース
- 自分たちに合った葬儀形式の選び方
家族葬と一日葬の違いとは?

家族葬と一日葬の大きな違いは、葬儀にかける日数と通夜の有無です。
| 比較項目 | 家族葬 | 一日葬 |
|---|---|---|
| 葬儀の日数 | 原則2日間 | 原則1日 |
| 通夜 | 行う | 行わない |
| 告別式 | 行う | 行う |
| 火葬 | 行う | 行う |
| 参列者 | 家族・親族・親しい友人など | 家族・親族・親しい友人など |
| 費用 | 一日葬より高くなりやすい | 家族葬より安くなりやすい |
家族葬とは
家族葬とは、家族や親族、親しい友人など、限られた人を招いて行う小規模な葬儀です。
一般的には、1日目に通夜、2日目に告別式と火葬を行います。参列者の範囲が限定されている点を除けば、葬儀の流れは一般葬と大きく変わりません。
「家族葬」という名前ですが、家族以外の人を呼んではいけないわけではありません。故人と親しかった友人や近所の方を招くこともできます。
一日葬とは
一日葬とは、通夜を行わず、告別式と火葬を1日で行う葬儀形式です。
式をまったく行わない直葬・火葬式とは異なり、一日葬では祭壇を設置し、僧侶による読経や焼香、故人とのお別れの時間を設けられます。
通夜を省略するため、遺族の身体的な負担や宿泊の負担を抑えやすいことが特徴です。

家族葬と一日葬はどっちが安い?

費用だけを比較すると、一般的には一日葬のほうが安くなる傾向があります。
2026年に公表された「第7回お葬式に関する全国調査」では、葬儀形式別の費用中央値は次のようになっています。
| 葬儀形式 | 費用の目安 |
|---|---|
| 家族葬 | 96.39万円 |
| 一日葬 | 74.43万円 |
| 差額 | 約21.96万円 |
調査結果では、一日葬のほうが家族葬より約22万円安くなっています。
ただし、この金額はあくまで調査上の目安です。実際の費用は、地域や葬儀社、参列者数、式場、祭壇、飲食、返礼品などによって変わります。
一日葬のほうが安くなりやすい理由
通夜を行わないため
一日葬は通夜を行わないため、通夜に必要な会場使用料や人件費、飲食費などを抑えやすくなります。
特に、通夜振る舞いを予定していた場合は、料理や飲み物の費用がかからないため、参列人数によっては大きな差が出ます。
葬儀にかかる日数が短いため
家族葬は一般的に2日間、一日葬は1日で行われます。
葬儀の日数が短くなることで、式場やスタッフにかかる費用を抑えられる可能性があります。また、遠方から来る親族の宿泊費や交通費の負担も軽くなります。
飲食費を抑えやすいため
家族葬では、通夜後の「通夜振る舞い」と、火葬後の「精進落とし」を用意することがあります。
一日葬では通夜振る舞いが必要ないため、その分の飲食費を抑えられます。ただし、一日葬でも精進落としを行う場合は飲食費が発生します。
家族葬のメリット

故人とゆっくりお別れできる
家族葬は通夜と告別式を2日間かけて行うため、故人と過ごす時間を比較的長く確保できます。
急いで葬儀を進めるのではなく、親族で思い出を話したり、故人のそばで最後の夜を過ごしたりしたい方に向いています。
一般的な葬儀の流れを守れる
通夜と告別式を行うため、従来の葬儀形式を重視する親族から理解を得やすい点もメリットです。
菩提寺との付き合いがある場合や、親族に葬儀の形式を重視する方がいる場合は、家族葬のほうがトラブルを避けやすいでしょう。
参列者の都合を合わせやすい
告別式への参列が難しい方でも、前日の通夜に参列できる可能性があります。
仕事や家庭の事情で日中に参列できない方がいる場合は、通夜を行うことでお別れの機会を作れます。
家族葬のデメリット・後悔しやすい点

想定より費用が高くなることがある
家族葬は小規模な葬儀ですが、必ずしも安いとは限りません。
祭壇や棺のグレードを上げたり、料理や返礼品を追加したりすると、総額が100万円を超えることもあります。
また、参列者が少ないと受け取る香典も少なくなるため、一般葬より自己負担額が大きくなる場合があります。
呼ばなかった人への対応が必要になる
参列者を家族や親族に限定した結果、後日、葬儀を知った知人から「最後にお別れしたかった」と言われるケースがあります。
葬儀後に弔問客が自宅を訪れ、その対応が続くこともあります。
どこまで声をかけるか迷いやすい
親族のうち誰を呼ぶのか、友人や近所の方にも声をかけるのか、明確な基準がないため判断に迷うことがあります。
呼ばなかった親族との関係が悪くならないよう、事前に家族で参列者の範囲を相談しておくことが大切です。
一日葬のメリット

葬儀費用を抑えやすい
一日葬は通夜を省略するため、2日間の家族葬より費用を抑えやすいことが大きなメリットです。
ただし、式場によっては一日葬でも準備のために前日から会場を借りる必要があり、式場使用料が2日分かかることがあります。
遺族の身体的な負担を軽減できる
葬儀は短期間で多くの判断や手続きを行う必要があります。通夜と告別式を2日間行うことは、高齢の遺族にとって大きな負担になることもあります。
一日葬なら儀式を1日にまとめられるため、遺族や参列者の身体的な負担を軽減できます。
遠方の親族が参列しやすい
葬儀が1日で終われば、遠方から来る親族が宿泊せずに帰れる可能性があります。
仕事を休む日数や宿泊費を抑えられるため、参列者側の負担も軽くできます。
一日葬のデメリット・後悔しやすい点

お別れの時間が短く感じることがある
一日葬は告別式から火葬までを1日で進めるため、「慌ただしく感じた」「気持ちの整理がつかなかった」と後悔する方もいます。
故人とゆっくり過ごしたい場合は、家族葬のほうが向いている可能性があります。
参列できない人が出やすい
一日葬では夜に行われる通夜がないため、告別式の日中に都合がつかない方は参列できません。
故人の友人や仕事関係者にもお別れしてもらいたい場合は、参列できる日時を事前に確認しましょう。
親族や菩提寺から反対されることがある
一日葬は比較的新しい葬儀形式であるため、通夜を行わないことに抵抗を感じる親族もいます。
また、菩提寺によっては一日葬に対応していなかったり、通夜を行うよう求められたりする可能性があります。
菩提寺がある場合は、葬儀社だけでなくお寺にも事前に相談することが重要です。

家族葬と一日葬で費用が変わるポイント
葬儀費用は、形式だけで決まるわけではありません。次の項目によって総額が変わります。
- 式場の使用料
- 火葬場の使用料
- 遺体の搬送距離
- 安置する日数
- ドライアイスの追加料金
- 祭壇や棺のグレード
- 参列者の人数
- 料理や返礼品の数
- 僧侶へのお布施
- 火葬場までの車両費
特に注意したいのが、広告に掲載されている「プラン料金」と、最終的に支払う「総額」の違いです。
プラン料金が安く見えても、火葬料金、式場使用料、安置料、搬送費、料理、返礼品、お布施などが含まれていない場合があります。

葬儀の見積もりで確認する項目

契約前には、次の項目を葬儀社に確認しましょう。
- プランに含まれているサービス
- 火葬料金が含まれているか
- 式場使用料が含まれているか
- 搬送できる距離と回数
- 安置料とドライアイスは何日分か
- 追加料金が発生する条件
- 料理と返礼品の単価
- キャンセル料の有無
- 僧侶の手配やお布施の金額
葬儀費用の調査では、最初の見積もりより最終的な支払い額が高くなったケースも報告されています。
「最も安いプランはいくらですか」と聞くだけでなく、希望する内容を含めた最終的な総額を出してもらうことが大切です。
家族葬が向いている人
家族葬は、次のような方に向いています。
- 通夜と告別式をきちんと行いたい
- 故人とゆっくりお別れしたい
- 一般的な葬儀の流れを大切にしたい
- 日中に参列できない人がいる
- 親族や菩提寺の理解を得やすい形にしたい
費用を最優先するのではなく、お別れの時間や従来の儀式を大切にしたい場合は、家族葬が適しています。

一日葬が向いている人
一日葬は、次のような方に向いています。
- 葬儀費用をできるだけ抑えたい
- 通夜を行う必要性を感じていない
- 遺族や参列者の負担を軽くしたい
- 参列者が少人数である
- 遠方から来る親族の宿泊負担を減らしたい
費用や身体的な負担を抑えながらも、告別式を行い、きちんとお別れの場を設けたい方に向いています。

家族葬と一日葬で迷ったときの選び方
故人の希望を確認する
生前に故人が希望していた葬儀形式があれば、できる限り尊重しましょう。
エンディングノートや家族との会話の中に、葬儀についての希望が残されていないか確認します。
誰に参列してもらいたいか考える
参列者の人数だけでなく、参列しやすい日時も考えることが大切です。
日中に都合をつけにくい方が多い場合は、通夜のある家族葬のほうが参列してもらいやすくなります。
親族と菩提寺に相談する
喪主だけで一日葬を決めると、後から親族とトラブルになる可能性があります。
一日葬を検討していることや、通夜を行わない理由を説明し、事前に理解を得ておきましょう。菩提寺がある場合は、お寺への確認も必要です。
複数の葬儀社から見積もりを取る
同じ家族葬や一日葬でも、葬儀社によってプラン内容や追加料金の条件が異なります。
1社だけで即決せず、できれば複数社の見積もりを比較しましょう。
比較するときはプラン料金だけでなく、火葬料や式場料、安置料などを含めた総額を見ることが重要です。
よくある質問
一日葬なら必ず家族葬より安くなりますか?
必ず安くなるとは限りません。
一日葬でも式場を前日から借りる場合や、祭壇・棺のグレードを上げる場合、安置期間が長くなる場合は追加料金が発生します。
一方、家族葬でも参列者が少なく、料理や返礼品を最低限にすれば費用を抑えられる場合があります。
一日葬でも僧侶を呼べますか?
一日葬でも僧侶を招き、読経や焼香を行うことは可能です。
ただし、菩提寺によっては通夜を行わない一日葬に対応していない場合があります。葬儀社を決める前に菩提寺へ相談しましょう。
家族葬は何人までですか?
家族葬に明確な人数制限はありません。
数人で行うこともあれば、親族や親しい友人を含めて30人程度で行うこともあります。人数が増えるほど、料理や返礼品、広い式場が必要になり、費用も高くなります。
一日葬と直葬は同じですか?
一日葬と直葬は異なります。
一日葬は通夜を省略しますが、告別式を行います。直葬は通夜と告別式を行わず、安置後に火葬場で短いお別れをして火葬する形式です。
まとめ|安さなら一日葬、お別れの時間なら家族葬
家族葬と一日葬を費用だけで比べると、通夜を行わない一日葬のほうが安くなる傾向があります。
一方で、家族葬には故人とゆっくり過ごせることや、参列者がお別れに参加しやすいというメリットがあります。
- 費用や遺族の負担を抑えたい人:一日葬
- 故人との時間や一般的な儀式を大切にしたい人:家族葬
大切なのは、表示されているプラン料金だけで決めないことです。
火葬料、式場使用料、安置料、搬送費、飲食費、返礼品、お布施などを含め、最終的にいくら支払うことになるのか確認しましょう。
葬儀は突然必要になることも多く、時間がない状況では冷静な比較が難しくなります。可能であれば、元気なうちから資料を取り寄せ、家族で希望や予算を話し合っておくと安心です。
※掲載している費用は全国調査をもとにした目安です。実際の費用は地域、葬儀社、参列人数、式場、宗教形式、追加サービスなどによって異なります。


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